日本自動ドアには「JAD Online Academy」という教育システムがあります。
JAD Online Academyはオンラインで受講でき、仕事のスキルや人間性を高めるためのカリキュラムを多数開講しています。
今回はJAD Online Academyについてみなさんに知っていただくために、吉原社長や担当者のみなさんへインタビューを敢行。
立ち上げの背景やカリキュラムの具体的な内容などについてお話しいただきました。
——まずはJAD Online Academy立ち上げのきっかけを教えてください。
吉原社長:おおきくわけて、3つあります。
まずひとつは、会社組織の在り方です。
会社組織の将来の在り方を考えた時に、Uber eatsに代表されるような個人事業化されていくのではないかと考えたのです。ひとつの会社で働くだけでなく、副業として複数の仕事に関わる可能性があるでしょう。
そういった考え方が当たり前になった時、会社組織はどのような立ち位置であるべきなのか。何のために集団を形成するのか。そんな疑問が浮かびました。
ひとつの答えとして、お互いに成長し合う関係であるべきだという答えに辿り着きました。
——成長し合う関係について具体的に教えていただけますか?
吉原社長:そうですね。では何をもって成長し合うのでしょうか。
極端に言えば、一緒に集まり、遊ぶことだと思うのです。
幼稚園や小学校、中学校、高校、大学と、集団で過ごす学舎というのはなくなりません。
社会人になっても、会社というひとつの組織の中で交流を深め、お互いに高めあい、成長していくことに取り組むことは理想的なことではないでしょうか。
成長の場所として教育は欠かせない。つまり、目指すべき会社組織とは、成長の場なのではないかといった考えに至ったのです。
ふたつめは、教育の場を提供したいという思いの実現です。
私も専務も教育者として大学の教育に関わっているのですが、今の世の中のスピードに合っていないと感じることがあります。
今の若い学生とディスカッションをすると、今の時代において価値のあるモノ・コトを学びたいという意欲を感じます。
しかし、そういった若者の欲求を満たすコンテンツが十分に提供されているかというと、難しいところがあります。
例えば、CHATGPTは良い例です。多くの大学では一部規制されていますが、そもそも使い方を知っている教師、生徒は少ないです。CHATGPTが何なのかも知らずに、もしくは教えずにただ規制するのではなく、良し悪しを学生にも理解させるべきではないでしょうか。
このように、学校教育では教えられないことをJAD Online Academyでは教えたいという思いがあります。
最後は、個人の自己実現です。社会人として働くことだけに一生懸命になるだけでなく、充実したプライベートを過ごしてほしいのです。
人は何のために生きているのでしょうか。
答えは人の数だけあるでしょうが、私は、生まれてから死ぬまでにいかに社会に貢献したかだと思っています。
死ぬ時に生まれた時より、より良い自分であると思えるように過ごすこと、それが生きる意味のひとつではないでしょうか。
そのための知識や教養を追い求めていくことは、働くだけでは満たせません。
従業員の知的好奇心を掻き立てること、それを満たすことも、会社組織の役割といえるでしょう。
生涯教育の場としても、会社の組織はあるべきだと思っています。
——JAD Online Academyの構想自体はあったのですか?
吉原社長:そうですね。10年ほど前から構想自体はありました。
私としてもやっと時間ができ、JAD Online Academyに集中できるようになったというのも、立ち上げに至った背景があびます。
それこそ10年前というと、副業を認めるべきかどうかという話を頻繁に聞くようになった時期でもあります。
誰もが自分の働きたいように働ける世の中になったら、企業組織の在り方について必ず問われる時が来ると思ったのです。企業の価値をどう高めていくかという課題は、すでに露見しはじめていました。
実際に今はどうでしょう。IQよりもEQ(Emotional Intelligence Quotient:感情についての理解を深めコントロールする能力)を重視するようになっていると思いませんか?
——確かに「共感」や「伝える能力」などといったテーマの書籍やニュース記事をよく見かけるようになりました。
吉原社長:そうですよね。人生100年時代となった今、自分が働いている会社が10年くらいで潰れてしまうこともあり得ます。
目まぐるしい荒波の中でどう生きるかということが、私にも皆さんにも求められます。
そんな中で役立つのが、どんな会社でも通用するスキル。要は「トランスファブル」なスキルだと思います。
トランスファブルなスキルというのは、時代によって異なります。時代に適したものを提供できる組織はそれだけ価値があると考えています。
——ありがとうございます。続いて、カリキュラムについて、それぞれの狙いも教えてください。
吉原社長:まず、リスキリングとは、一般的には仕事に役立つ学び直しをすることを指します。
JAD Online Academyでも、改めて学んでもらいたいことを提供しています。
一般的な企業ではいわゆるOJTなどが該当しますね。当社で仕事をする上で役立つ知識を教えています。
もちろんここで学んだことをいかして他の仕事をしていくこともできると思います。
当社は中途採用で入社する方が多く、異業種からの転職も少なくありません。
まずは当社の働き方を覚え、そこからご自身の知識や技術を高めてもらいます。
リカレントプログラムでは、どのような業種業態、どのような会社にいても役立つ知識を学べる講義を提供しています。
先ほどお伝えしたようにトランスファブルな知識を身につけてもらえるよう、常に最先端のカリキュラムに更新していく予定です。
——どのくらいの頻度で更新されていくのでしょうか?
吉原社長:今は流れが早いので、1〜2年くらいで更新していく必要があるのではないかと思っています。
例えば、数年前はAIやロジカルシンキングが流行っていたけれど、そういった数字論的なことは徹底的にやる必要はないように感じています。
今の時代は、何かを作りたいという人が世の中を変えていくと思っています。
そういった思いや想像力を持つ人を育てていきたいんですね。
こんなものをつくりたい、こんなものを描きたいといった考えはAIや数字論を学んでも身につきません。
それらのスキルを上げていくには、EQを高めるようなスキルを提供していきたいと考えています。
根本的な数字で分析できるようにしましょうというような数字論理的なことはもういいかなと思っています。
ライフハックでは、生活の中で便利になる、最新のヘルスケアの情報を提供しています。
10年前と情報が違っていることもあるので最先端のものを伝えています。
——「次世代マネジメント」というのはどのようなカリキュラムでしょうか?
吉原社長:次世代マネジメントはその通り、次の世代のリーダーを育てようという目的で、幅広いカリキュラムを受けてもらいます。
時代に適した価値観や倫理観、振る舞いというのは、その時代によって変わってきます。それこそドラッカーの考え方もすべてを鵜呑みにしてしまうと、今の時代には合っていないと感じる部分があります。
その時代にあった健全な経営を目指すための学びを、3段階に分けて受講してもらいます。
最初から高度な倫理観を学びにいくのではなく、まずは身近な話題からふれていき、徐々に深掘りをしていくことで、マネジメントのマクロ・ミクロを理解してもらおうと考えています。
——ありがとうございます。それぞれのカリキュラムを受けるのに条件などはありますか?
吉原社長:順番や年齢、役職関係なく、フラットな状態で受講できるような体制を考えています。役職や勤続年数関係なく、一般社員に興味があれば、どんな研修を受けてもいいと思っています。
講義の多くは録画しているので、後から一般社員やパートさんが受講できるようにもなっています。
今後は全社員が自由に受講できるだけでなく、学生のインターンや社外などの外部の人も受け入れられないか検討しています。
——実際に受講している様子はどうでしょうか?
教育担当:実際に講義を受講している人は、みなさん満足してもらえているようです。
次世代マネジメントプログラムでは、指定の本を読んでもらうのですが、自分が知らない本に出会えてよかったという感想がありました。
現場仕事や一般的な研修では学べないようなことを学べるのは、社員にとっても良い経験になっていると感じます。
社内でもJAD Online Academyは周知されているようでして、多くの社員が講義に参加しています。
——本日はお話しいただき、ありがとうございました!最後に今後のビジョンを教えてください。
吉原社長:社内だけに留めてももったいないので、学生、家族や身内親しい人、取引先含め、さまざまな人が受講できるようにオープンにしていきたいです。
外部の人が加わることで、私たちにはない視点を取り入れ、新しい発見ではないかといった期待もあります。
例えば、以前外部の人と「新しい自動ドアを開発する」というテーマでディスカッションをする機会があったのですが、非常におもしろく有意義な回になりました。
たくさんの人の考えやアイデアが入り混じることで、お互いに相乗効果をもたらし成長し合っていけるのではないかと期待しています。
また、JAD Online Academyを通じて、弊社の取り組みを知ってもらいたいという思いもあります。
講師の方もこの取り組みに共感し、参加いただいているので、講義自体のクオリティも高めていければ総合的な大学のようになっていっておもしろくなるのではないかと考えています。
いずれは長期的なプロジェクトやイベントの開催など、オンラインでの講義にとどまらずあらゆることに挑戦していきたいですね。
今回、特別にオンラインセミナーの様子を一部公開します。どのような講座を開講しているのかぜひご覧ください!