自動ドアの歴史
自動ドアの歴史
自動ドアの歴史は、遡ればギリシャ時代のヘロンの発明した自動ドアを起源とする説が有力といわれています。
自動ドアのターニングポイントとして、産業革命が挙げられます。動力源として蒸気機関が誕生したことで、自動ドアの仕組みや役割も変化していったと考えられます。
残念ながら明確な文献がないため、あくまで推測ですが、18世紀半ば〜19世紀にかけて、ヨーロッパ各地で今の自動ドアの原型のようなものが発明されたと思われます。
一方、日本にはいつ頃自動ドアが登場したのでしょうか?これも残念ながら明確な文献がないため、あくまで推測での話になりますが、1960年代には存在していたとされています。
当社の会長である、吉原 利美によると、初めて自動ドアを見たのは1960年代の東京だったそうです。
ひとつは東京タワー。もうひとつは東京大学のアイソトープ研究所の入り口に設置されていたそうです。当時は日本製ではなく、ドイツ製だったとのこと。
会長はふたつの自動ドアを見て、「将来的に普及するのではないか」と感じ、1966年、日本自動ドア株式会社を創業します。
創業当時、当社は建売住宅の販売が主な事業でした。自動ドアは、家庭用自動ドアとして建売住宅とセットで販売しており、リビングと各部屋をつなぐ間仕切りとして使われていました。
1970〜80年代に入ると、高度経済成長期のピークを迎えます。その影響により、自動ドアもあらゆる場所で設置されるようになります。
当時大きな変化があったものの業界に、小売店や飲食店があります。それまで、商店街や軒先に居を構えていたお店が、次々に店舗化していきました。ラーメン屋や寿司屋も建物の中にお店を構えるようになり、その入り口に自動ドアが使われるようになったのです。
この頃、建具が木製から金属製へと変化していきます。戦前は木製が主流でしたが、火災の被害が酷かったため、徐々にステンレス製の建物が増えていきました。その流れに併せて自動ドアも、ステンレス製やアルミ製のものができるようになります。
1980年代後半からは、コンビニストアやファーストフード、居酒屋など、チェーン店の勢いが凄まじく、店舗数も日本全国に急増していきました。自動ドアは、店舗入口の扉としての需要が高まり、チェーン店の店舗展開に比例するように、設置数が増えていきました。
1990〜2000年代初頭には、スターバックスをはじめとしたカフェ系列のチェーン店も登場し始め、自動ドアの設置数はさらに増えていきます。
その後、小売や外食産業にとどまらず、ビルやマンションにも軒並み自動ドアが設置されるようになりました。
そして現代。自動ドアは安定的に普及し、世の中にとって当たり前の存在となりました。
現在は、暮らしに寄り添ったものや、医療や建築現場に特化したものなど、細分化されたニーズに応えるものが増えています。