新しい商品を創り出す開発職は、理系の方が目指す職種の中でも特に人気が高く、競争率の高い職種です。
しかし、大まかな内容は理解しているものの、実際の仕事内容は細分化されており、詳しくわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、メーカーの花形「開発職」に注目し、種類や働くメリット、どんな人が向いているのかまで詳しく解説していきます。
開発職への就職・転職を目指している方など、少しでも興味がありましたら、ぜひ最後まで一読ください。
開発職とは?
開発職の仕事は、企業が研究の成果を実際のサービス・商品として実用化して世の中に送り出したり、新たな技術を生み出したりするのが主な役割です。
新しい商品の開発だけでなく、社会のニーズに合わせて既存の商品を改善したり、アンケートを実施して世の中のニーズを探ったりすることも開発職の仕事に含まれます。
そのため、ものづくりの中でも0〜1を生み出すというより、1を10、100にすることに特化した職種といえるでしょう。
開発職と研究職・技術職の違い
似たようなイメージがあり、よく混同されやすい研究職と開発職ですが、仕事内容には明確な違いがあります。
先ほど解説したように、開発職は研究の結果を元に商品開発など成果を社会で生かす方法を考えるのが主な仕事です。
一方研究職は、研究を通してこれまでになかった理論や技術などを生み出すこと、技術職は商品を作る設備を運用・管理したり、作業を効率化する策を生み出すのが主な役割です。
開発職の種類
主に商品作りに携わる開発職ですが、大きく「研究開発職」「技術開発職」「商品開発職」の3種類に分けられます。
研究開発職
「研究開発職」とは、研究によって見つかった技術を製品に落とし込むのが仕事で、業務内容は主に実験・解析・データ収集・分析・検証などが挙げられます。
研究内容も大きく2種類に分けられ、未知の物質や新しい領域を研究しながら、新たなビジネスのタネや企業に役立つものがないかを探す「基礎研究」と、基礎研究で得られた技術や理論を応用し、実用化することを目的とした「応用研究」があります。
0から1を作り上げる基礎研究は、大学や研究機関で行われることが多く、完成までに5〜10年かかるケースも少なくありません。
一方で応用研究は、コスト削減や品質向上による利益の向上などが求められるため、同じ職種でありながら両者は全く別物と考えてよいでしょう。
大企業であれば分業で開発に専念することも多いですが、企業や分野によっては開発と研究の両方を行うこともあります。
技術開発職
「技術開発職」とは、新しい技術を効率よく生産するための生産設備の設計を行なったり、技術の活用法を最適化させたりするのが主な仕事で、ちょうど研究・商品開発と実生産の中間に位置する職種です。
研究開発職と混同されやすいですが、新たな可能性を求めて日々技術を追求する研究開発職に対し、技術開発職は安全な生産ラインの確保や商品の高品質化などを目的に、技術の開発・改良を目指します。
もちろん専門性の高い知識とスキルが必要で、技術そのものを販売できたり、まだ世にない技術開発であれば特許を取得できる場合もあるため、企業や社会への貢献度が高く、大きなやりがいを実感できる仕事といえるでしょう。
商品開発職
最後の「商品開発職」は、社会や企業のニーズに合わせて実際に製品化するための開発を行う職種です。
どのように開発していくのか商品の方向性を決めたり、試作品の作成や安全性テスト、強みとなる部分のコンセプト作りといったマーケティング戦略を行うこともあります。
一般的に理系の方が多い開発職ですが、商品開発職においては文系の方も多く仕事に就いている点も、特徴のひとつといえるでしょう。
開発職として働くメリット
ここまで開発職の基本について説明してきましたが、ここからはもう少し掘り下げて開発職として働く魅力、メリットについて解説していきます。
自身の好きな研究に打ち込める
開発職の魅力は、まず自身の好きな研究に打ち込める、携われることが大きなメリットです。
自身の好きを活かしてこれまで積み重ねてきた知識・スキルを発揮できる絶好の機会にもなりますし、研究に没頭する中で新しい知識や技術を見つけられたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう。
自身の仕事が社会貢献につながる
開発職の仕事は達成感を味わえるだけでなく、新たな開発であれば特許を取得できたり、ヒット商品を生み出せば企業に大きな収益をもたらします。
研究開発した商品が誰かの役に立ち、社会生活の豊かさに直接貢献できる点も開発職のやりがいや魅力といえるでしょう。
安定して働き続けやすい
企業によって異なりますが、開発職は専門性が高いため、状況や環境によっては平均より高収入を得られたり、重宝されやすい職種ともいえます。
なかなか成果が出ない厳しい世界ではあるものの、自身の成果で企業に利益をもたらすことができれば、より規模の大きなプロジェクトに参加できる可能性もありますし、それによって収入が増えたり、キャリアアップにもつながっていくでしょう。
開発職に向いているのはどんな人?
開発職への就職・転職に興味こそあっても、果たして自身がこの業界に向いているのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、開発職に適しているのはどのような人なのか、3つ紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
粘り強く取り組みたい人
ここまで解説してきたように、開発職は成果が出たときのリターンが大きい一方で、すぐに成果が出るわけではありません。
メーカーの花形のイメージもありますが、実際には地道な作業の連続で失敗も多く、研究内容によっては年単位の時間、場合によっては5〜10年かかることもあります。
そのため、途中で投げ出すことなく最後までやり遂げる根気が必要で、失敗してもめげずに粘り強く取り組める人は、開発職に向いている人材といえます。
コミュニケーションを取ることに抵抗がない人
研究に没頭するイメージがあるからか、人との関わりが少ない仕事だと思われがちですが、実際の開発は一人ではなく、チームや他の部署と連携を取りながら作業を進めていくケースが一般的です。
また、さまざまな人とやりとりをする中で、自身の意見を伝えることや相手の意見を聞くこと、良い商品を作るためには協調性も欠かせません。
知識や技術を活かすために周囲と協力できる、コミュニケーション能力に優れた人は、開発職として活躍できる人材といえるでしょう。
調査・研究が好きな人
最先端の技術は日進月歩で進化を続けていて、求められる研究技術はもちろん、社会のニーズも常に変化しています。
研究・開発の仕事では、調査や分析といった論理的な思考を持ち、新しいことを知ったり、常にさまざまなことを思考しながら過ごすのが好きだという人が向いています。
反対にマニュアルに沿って物事を進めたい人や、頭より体を動かすほうが好み、すぐに結果が欲しいという方は壁にぶつかりやすい職業といえるでしょう。
日本自動ドアの開発職について
私たち日本自動ドアにもさまざまな業務があり、本コンテンツのテーマである「開発職」もそのひとです。
チームでコミュニケーションを図りながら、ゼロからあらゆることを考えて新製品を作ったり、開発途中の製品の実証試験などに取り組んでいます。
弊社の取り組みについて詳しく知りたい方は、下記のページやインタビューも併せてご覧ください。
まとめ
今回は、開発職の基本から向いている人、やりがいや魅力まで詳しく解説してきました。
メーカーの花形職種といえば研究開発職と考える人もいて人気も高く、やりがいも大きい職種ですが、実際の業務は上手くいかないことも多々あり、一歩一歩地道に取り組んで行かなければなりません。
今回の記事を読んで自身の性格は向いていると感じた方、より挑戦する意欲が芽生えたという方、ぜひ開発職の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。