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INTERVIEW.10

日本自動ドアの開発職はどんな仕事?担当者へインタビュー

開発

開発職 岡村さん

日本自動ドアでは、自動ドアの設置、修理、保守・メンテナンス以外にも、自動ドアの開発に関する事業も行なっています。

今回は当社の開発職がどのような仕事なのか、開発担当の岡村さんへインタビューを実施。
自動ドアの開発に関する裏話や、日々の業務のおもしろさ、難しい部分などたくさんお話しいただきました!

社員インタビュー(岡村さん)

――早速ですが、開発のお仕事はどのように進めるのでしょうか?

新製品を開発する際は、市場にどのような商品があればいいかの調査から始めます。
自動ドアを利用される方は、歩いて通過するだけですが、購入する方は建物の管理をされるため、どのような使い方をしたいのか聞き取ることが大切です。
他には当社の営業から話を聞いて、需要がありそうなものをコンセプトとして明確にします。

コンセプトが明確になったら、実際に作るためにはどれくらいの販売量が見込めるのか予測を立てます。そのコンセプトに対して、自分たちで図面を作成して作ったり、その分野が得意な業者さんに製作を依頼したりもしますね。
設計からサンプルを作って試験をして、実際に販売するかを社内検討します。これが新商品を開発する際の、基本的な流れです。

――自動ドアの新製品にはどういったものがありますか?

自動ドアの新製品というと想像つかない人が多いかもしれませんね。
例えば、弊社の製品ではありませんが、最近の自動ドア製品にはBeacon(ビーコン)が入っているものがあります。
Beaconとは、Bluetoothの電波を用いて情報を発信している端末で、例として、その電波の範囲に入ると、スマートフォンなどで連絡情報を受けとれるというようなものです。
自動ドアにもBeaconを設置することで、ドアを通過したお客さまへ何かしらの情報を発信することが可能になります。

あまり知られてはいませんが、このように施主さまが提供するサービスと連携した自動ドアも販売されていますよ。

また世の中に欠かせない存在として、利用される方の生活に合わせた開発も重要です。
例えば、新型コロナウイルスが猛威を奮っていたころは、店舗に設置された自動ドアの電源を切り、開けっ放しにして換気していました。このニーズに対して、自動ドアの電源を切らなくても換気できるようなシステムを開発し販売したこともあります。

——開発のプロジェクトはどのように進むのでしょうか?

複数のプロジェクトを抱えているため、ルーティンワークは少なく、スケジュールは毎日異なります。
例えば、試験機の前で耐久試験をしたり、動作確認やアプリケーション開発、海外向けであれば英語表記を国際部とすり合わせたりもします。また、知的財産権などの法務関係に関する担当者の打ち合わせなども必要になります。

プロジェクトは実行している、していないに関わらず、200件ほどがリスト化されています。それらの中から優先順位を決めて順に進めています。販売促進に繋がりそうな項目は、重点的に進めていきますね。

開発は他の部署と連携しないと進められません。開発部だけで進めると違う視点が入らないため、他部署や現場の方たちの話をピックアップすることが大切です。

——どのような時に開発の仕事のおもしろさや、やりがいを感じますか?

自分の考えたものが形になり、実際に商品として販売されるのが一番ですね。売れ行きが良くないと「うーん、ちょっと違ったかな」と思ってしまいます。開発部の社員だけで考えたものが売れるわけではないので、営業担当にも協力してもらう部分もあります。

マーケティングをして市場にマッチしているか検討してから開発しますが、「ヒット商品を作る」ことが一番の目標になると困ってしまいますね。何がヒットするかは、社会情勢や生活様式など、その時々により変化するため、常にアンテナを張ることが大切です。

あとは、いろいろな企業さまとお話しすることにも面白さを感じます。
例えば、新しい情報を探すために、展示会を視察することがあるのですが、その際にいろいろな業種・業態の方と出会う機会も多々あります。自動ドアの業務範囲だけしていると、お会いできない方もいるので、貴重な経験をさせていただいています。
展示会などでお話しした中から、新しいアイディアが生まれることもありますよ。

——反対に難しいと感じることを教えてください。

現場を回っている方の要望を聞くと、すべて叶えてあげたいと思いますが、実現するのは難しいです。ただ、私も元々は現場出身なので、彼らのこうしたいという気持ちもわかります。

開発の立場になると、現場目線だけでなく経営目線も必要になります。例えば、新製品を開発するには、投資した分の回収も考える必要があります。現場の方の要望を聞いても、ロットなどの問題で実現できないことがあるため、心苦しいですね。

社内で議論していて「これを作ったら売れる!」と盛り上がることもありますが、現実的なことを考えると難しいねとボツになることもあります。残念だという反応をされることもあり、すべての要望に応えられないことが開発の難しさですね。

——日本自動ドアならではの業務などはありますか?

大きな組織であれば開発も役割が細かく決められていますが、弊社は少人数で開発をしているため、幅広いスキルが必要です。

例えば、製品を作るために必要な情報収集として、関係する法律や各規格、特許などを理解出来る必要があります。そこに機械的、電気的、ソフトウエア、生産関連の知識などを利用して業務に対応できるようにしています。

——仕事を通じて学んだ、成長したことを教えてください。

技術面に関すること以外も知ることができるのは大きな学びでした。特に法律について学ぶと、社会や仕事の仕組みも学ぶことができ自分自身の成長にもつながります。
例えば、新型コロナウイルスの流行時、除菌水を販売するために他部署がチラシを作成したのですが、薬機法の関係で「殺菌」と表記してはいけないと知りました。今でも日々の業務で新しく知ることもたくさんあります。

このように業務の中で、さまざまな知見を得ることが可能です。私はもともと機械系出身で、設備や金属加工などを専門的に学んできました。
電気関係は苦手でしたが、日本自動ドアに入社してからは、電気をメインにすることが増えたので、自分でもかなり勉強しました。

——今後挑戦してみたいことや目標を教えてください。

売れるものを作ることは難しいと話しましたが、やはり「いかに売れるものを作れるか」ということは諦めずに挑戦していきたいですね。会社の売上に貢献したいと常に思っています。
売れる商品を作れば、従業員の待遇も向上するので、収益に繋がる開発も目標としています。

また、時代の変化にも対応していきたいです。例えば、私が設計を学んだときは2DCADでしたが、いまは3DCADで図面を描くことも増えました。
時流に関しても、私の学生時代はフルカラーのカメラ付き携帯電話が登場したころで、まさかスマートフォンが誕生すると思っていませんでしたし、普及するとも思っていませんでした。
時代に乗り遅れると、開発する商品も古い印象になってしまいます。みなさんが使っているものに対して可能な限りアンテナを張って、新しいものを取り入れたいと思っています。

弊社の代表も、新しい技術には常にアンテナを張っています。自動ドアを使って、世の中の役に立つ方法はないか、人々の暮らしがよりよくなる方法はないかを考えています。私もその方針に沿って、頑張っていきます。

最近の開発テーマには、自動ドアを設置していただいた先に、いかに人に来てもらうかがあります。先ほどのBeaconの話もそうですが、店舗に来た人に自動ドアからクーポンが届けば、設置先の収益が増える可能性があります。自動ドアを利用することで発生する収益を高めるためにはどうしたらいいか、考えていきたいです。

また、環境に配慮した商品の開発にも力を入れています。弊社には環境ビジョングループがあり、私もその一員です。より環境に良い商品や、CO2を出さない商品を研究しています。

2030年に向けての環境問題への取り組みは、会社の方針の一つとして掲げられています。そのため、環境に配慮した商品への置き換えは、開発のテーマの一つです。
具体的には、樹脂材に環境配慮型のものを使えないか検討しています。しかし、自動ドアに使われている樹脂材は、加重がかかる部分なので、耐久性が低くて難航しています。

なかなか上手く進まないこともありますが、今後も環境に配慮した置き換えを検討していきます。

——最後に開発の仕事に興味を持っている方へメッセージをお願いします。

弊社の開発は、さまざまな企業さんとお会いできて、いろいろなお話を聞けることが特徴です。自分が知らない情報を取り入れながら、物作りに励むことができます。
また、大手企業と違い、自由に仕事ができるという印象もあります。経営者との距離も近く、提案しやすい環境だと感じますね。

ただし、展示会を訪問したり、企業さんと打ち合わせをしたりなどのスケジュールは、自ら組む必要があります。アンテナを張って、新しい情報は自分で仕入れるという意識が大切です。指示待ち人間ではなく、言われる前に自分から動くことが大切です。

自分のアイディアを提案したり、自由にモノづくりをしたりしたい方は、ぜひ一緒に開発の仕事に挑戦しましょう。